父が吐き捨てるように言った
子供の時の記憶
そのもっとも古いものの一つ
きょとんと見守る僕
それに気づいた父は
ホッとしたような顔つきになって
僕の頭に手を置きながら
お前は嘘つきにはならないでくれ
その様なことを言って頭を撫でた
うん(#^.^#)
そううなずいて なすがままにされ
話を聴いていた
3歳なのかな
そのれくらいの頃か
嘘つきはダメなの?
おうむ返しに尋ねる
嘘つきは本当にダメ 本当にダメだ
ダメなの?
そうだよ ひとには信用されなくなる
相手にされなくなるんだよ
父はそう言いながらまた何か想い出し
不愉快そうに顔をしかめた
お前はそんな人にはならないでくれ
うん(#^.^#)
僕の特殊性癖の初めだ
嘘が付けなくなった 随分と苦労した
その始まりだね
お父さんは嘘をつかないよ お前もね
ひねくれものもダメだ
素直な子でいておくれ
うん(#^.^#)
『僕の三つ子の魂を縛った呪縛だった』
強い力だった
もちろんそれだけではない
父は絶対に嘘は付かないと誓いを立てた
宣言したんだよ
僕は子供だから食い下がった 何度もね
約束した 確かに言った
何度も求めた
それで沢山のものをゲットした
一つだけ履行されなかった
パチンコ台を買ってくれなかった
約束を取り付けたが
なかなか履行されなかった
繰り返し催促した
躊躇いがあったのだろう
本物のパチンコ台だ
中古で売りに出ていた
雑誌の裏表紙だっただろうか
想い出したように言った
そしたら確約してくれたんだ
「忘れないな 忘れると思ってた」
引き延ばされていたんだ
だけど僕が忘れない
本当に欲しがってる
そう理解したのだ 約束してくれた
「よし 買ってやろう」
そこまで言うのなら
その欲しいは本物だ
「あかんよ! 何いううとん!」
ピシャッとした声 親戚のおばさん
横に居たんだよ 偶々か
「子供にパチンコ台だなんて!!」
もう それで無くなってしまった
示し合わせた事なのかもしれない
それだけだったよ
父が僕との約束を履行しなかったの
その僕はというと嘘をついた
初めてのウソは幼稚園の時だ
それまでにたくさん言ってたのかも
知らないだとか 僕じゃないとかの
物心つく前の自然なウソ?ってかな
けど嘘を言った
始めて友達になった かつみ君
その積極的な友達がゲットしてきた
〇〇君
引っ込み思案の内弁慶の傾向がある
話しかけないけど身内には図々しい
何時もリーダーシップをとってたの
その時に二人で行き先を決めたんだ
僕は面白くなかったんだよ
「僕は行けない」
咄嗟に大ウソを続けた
今日は飼ってた犬の命日だから
お墓詣りに行くんだ
死ねよオレ
犬なんか飼ったことが無かった
実際 かつみ君は大変に頭の良い子
犬なんか飼っていたのかと」
そう問うた
うん飼ってたんだ短い間だったけど
迷い犬が来たのを飼ってた」
死ねよオレ
家に帰ってから
僕は果てしなく際限なく自分を責め
これ以上には下がない程に凹んだ
【もう二度と嘘はつくまい】
固く心に誓いを繰り返した
そして僕はまた嘘をついた
中学でも中二のウソをついた
漫画で読んだ話を本当にしたんだよ
死ねよオレ
僕の5つのウソは本当に恥ずかしい
黒歴史だった
けどそれが一番の黒歴史でないんだ
僕は
<めんどくさい奴なんだ>とっても
それで嘘を憎んでる
自分に課せてる強い枷を他人に求め
たくさんの友人を傷つけた
子供だからね
実に子供だった
僕はたくさんの人を傷つけた金剛石
擦れ合うだけで傷つける
そこに居るだけで
僕はそれが正しい事だと思ってたよ
約束を破った友人を責めたんだけど
それから友人ではなくなった
友人が自分が悪いからではない
僕のことがめんどくさくなった
僕はその自分を変えるつもりはない
僕はこれでいい仕方がない事なんだ
運命だ
僕の質だ
自分と違うものにはならなくていい
かなり悪いこともしたんだ元ヤンだ
だから汚れまみれの大糞野郎だけど
僕はもう後ろに下がるつもりはない
それだったら 死ぬそうと決めてる
僕は子の生き方を貫いて
出来るだけ生きたら
それで死ぬ
死にたがってるだけなのかしれない
だけど僕はこんな子だったので解脱
真理に勝利した
何がそうしたか
運命だよね
やっぱり今の僕を形づくったものは
環境だよね
その境遇だ
父親 友人 その父に嘘を言った人
その時に横に居た僕の生まれ
そのすべてだ
何が解脱に必要か
この生まれだよ
僕はここに至るために
到るための生まれをしている
はじめから決まっていたんだ これ
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